根っこ(神経管)の治療は大事だよ
今日、新患の方で2人も感染根管治療(以前受けた神経の治療のやり直し)の方が来院されました。
お二人とも銀歯を被せた後に腫れてきて、「消毒で様子を見ましょう」と言われながら数ヶ月経っても変わらず、転院してきたとのことでした。
はっきり言いますが、消毒しても抗生剤飲んでも一生治りません(言い過ぎかな?)
いい機会なので、歯内治療について書きたいと思います。
昨日のブログで、歯科の疾患はよく建築に例えられるというお話をしました。
歯周病治療で土地の地盤を整え、歯内治療(歯の神経管の治療)で建物の基礎を作り、支台築造(被せものを被せるための土台)で柱を立て、補綴治療(被せものなどで歯をつくる)で屋根を作る。
今日は続きで歯内治療(歯の神経管の治療)について。
おそらく、歯科の治療の中でも最も知識と技術が要求される分野だと思います。
虫歯なり何なりで歯の神経が感染すると、歯の解剖学的形態の都合で免疫力では回復することが困難です。
なので、基本的には「神経を取りましょう」という話になります。
この歯髄というのが神経・血管・リンパ管などの複合体です。
ご覧のとおり根の中の通路が非常に細く、一度感染すると細菌の方が優勢になって勝てないんですね。
で、神経を除去する訳なんですが、これ、目で見えると思います?
想像してください。
狭い口の中で、歯医者のあの小さな鏡なんかを使いながら、この神経の管の中を治療する?
難易度高いです。
99%の先生が、手指の感覚(つまり経験と感)で治療を行います(私も50%は拡大鏡で見ながら、残りの50%は想像と感覚です)。
だから虫歯を取り残したり、根の先まで殺菌できなかったり、誤って穴をほがしてしまったりして、失敗率が高いんですね。
仮に痛みなく治療を終えても、根の中に細菌を残していれば、数ヶ月〜数年後に腫れてきたり、違和感が出てきます。
経験のある人も多いと思います。
一般的に、歯内治療の成功率はあまり高くないそうです。
ですが、日頃、他院での歯内治療のやり直し(いわゆる感染根管治療。にじの森歯科クリニックでは、歯内治療はほとんどが他所の先生のやり直しです…)をしている実感では、
「手、抜き過ぎ!」
と思うことが多いです。
もちろんレントゲン上ではきれいに治療されているように見えるのに、病巣の像が出ていることもありますが。
だいたいの再治療の原因は、
①虫歯の取り残し
②削らないと行けない部分(神経の取り残しなど、腐ってます)の取り残し
③治療後の被せものなどが合っていない
あたりがほとんどです。
薬飲んでもどの原因も解消しないので、症状は変わらないか再発します。
これらの原因は、もしかしたら先生の知識と技量の問題もあるかもしれませんが、保険治療における歯内治療の評価が低いためだとも思います。
激安超特価です。
奥歯の神経を除去しても6000円くらいです(患者さんの負担金は2000円いかないです)。
アメリカでは15万から80万円くらいらしいです。
なんと、私がよくやる感染根管治療は、さらに安くなるのです(5000円くらい…)
どう考えてもバリバリの赤字です。
でも医療行為なんで、手を抜いちゃダメです(まさか、手を抜いているつもりはないとか?)
私は成功率を極力上げるために、セミナーや書籍で基礎から最新のテクニックまで仕入れ、拡大鏡で細かいところまで確認し、超音波器具で穴をほがさないようにやってます。
というふうに、ほとんど趣味でやってます。
治るとうれしいし、患者さんも喜んでくれますので。
なので、もしなおったらセラミックでもかぶせてください(笑)
あ、ちなみににじの森歯科クリニックのセラミックは相場の4割引くらいの価格です(たぶん)。
これも好きでやってますので。。。
あ、赤字なのを趣味でやってますので、予約を守っていただけると助かります。
あと、あんまりないけど普通の治療じゃ治せなくて、外科処置が必要になるときも時々あります〜。