歯の根っこからの膿
※今回はちょっと嫌な画像がありますので、苦手な方はそっとページを閉じてください…
先日、患者さんからの相談で
「嫁が他の歯医者に通っているんだけど、予約がとりづらくて、先生に相談したら、よそに行ったらどうですか?って言われたらしくて。紹介してもいいですか?」
とのことで、ご紹介いただきました。
歯の神経の治療中で、先生からは「治らないかもしれない」と言われ、ずっと消毒を繰り返していたそうです。
「抜いた方がいいんでしょうか?」とのことでしたが、抜歯するとブリッジができずに義歯かインプラント確定なので、なんとか保存したいところです。
治療中の仮蓋を外すと…
神経の穴から膿が出てきました
膿が出尽くしてしまうまで数分待ちます。
神経の管の中を計測器と器具の感触で診てみると、管の形成がかなりオーバーにしてあり、治療器具でのいじりすぎによる膿ではないか?と考えました。
その証拠に、歯の根の先は大きく拡大されており、膿は出ているものの腐敗臭はしません。
おそらくホルマリン系の消毒薬をぎゅうぎゅうに詰めてあったようですが、ミスチョイスと判断し、超音波器具で入念に洗い流してカルシウム系の薬に変更します。
さらに虫歯の取り残しを除去し、削られて薄くなった根をプラスチックで補強します。
1週間後の予後で、
「いつもは治療後に痛みが出ていたが、今回はまったくどうもなかった。」
とのことでした。
蓋を外しても、膿も出ていません。
一応、もう一度同じカルシウム系の薬を詰めて、次回で神経の治療を仕上げる予約を取ってもらいました。
たぶん、以前のように消毒を繰り返してもずっと治らないどころか、慢性化して治癒不可能になっていたと思います。
「なんで膿が出るのか?」原因を考えて対処しないと、漫然と消毒洗浄を繰り返しても絶対に治りません。
今回は特に、ただ1歯助かっただけでなく、ブリッジ可能になり2歯分の価値のある治療でした。