神経保護の失敗例
今日の急患さん。
右上の奥歯が痛くて耐えられないとのこと。
痛み止めを飲んでいらっしゃったので、痛みからの診断がしづらい
原因歯候補を2本にしぼってレントゲン撮影。
①片方は歯の神経治療の不備で骨に吸収像あり。
②もう片方は銀歯の下に神経の保護材が入っているように見えるけど、所見と合わせると怪しい。
説明の上、両方とも治療させていただくことに。
①は被せものと差し歯の土台をがんばって除去して(がっちしりた土台をつけるなら、もうちょっとしっかり神経治療してください…)みるも、膿は出て来ず。
②の銀歯を外すと、大きな神経保護材が。
怪しいと思いながら保護材を除去して、虫歯の染め出し液をつけてみる。
染まります(ビンゴ!)
慎重に虫歯を除去していると、神経のある部位が透けて見えているはずですが、なんか雰囲気がおかしい。
神経といっしょに血管が通るので、健康なら鮮やかなピンク色っぽくみえるんです。
なんか暗い、おかしい
当たりをつけてズボっと削ると、神経は死んで腐っていました。
神経保護処置の際、虫歯の取り残しがあったことが原因でしょう。
腐った神経を丁寧に除去し、次回は最終的な薬を詰めるだけに仕上げて終了。
ちなみに、3つの神経のうちの1つが曲がっていたので、ニッケルチタンファイルという特殊な器具を使って形成。
これで一安心です。