ラバーダムを使用したダイレクトボンディング
感染対策だけでなく、治療内容もどんどんレベルアップしています。
ラバーダムという言葉はご存知でしょうか?
歯の周りにゴムシートを設置して、歯に対しては唾液や湿気の感染がないように、お口に対しては削った虫歯や銀歯やお水が流れ込まないように、カバーをする装置です。
たしか10年前くらいまでは保険治療に含まれていたのですが、現在では保険治療から消されてしまいました。
調査データによると、ラバーダムを使用している一般歯科医院は5%程度だそうです。
当院でもよほどの理由(嘔吐反射が異常に強いなど)がない限り使用していませんでした。
しかし、マイクロスコープ治療やダイレクトボンディングが日常化してくると、さらなる治療の質向上のため、院長の欲がどんどん出てきます(笑)
今回はダイレクトボンディングにラバーダムを使用した症例をご紹介します。
最近のダイレクトボンディングではほとんどのケースでラバーダムを使用しています。
左から二番目の銀歯(口の中では右上奥から二番目の歯)をダイレクトボンディングでやり替えます。
ラバーダム(紫)を設置しました。
このラバーダムはアレルギー防止のためにノンラテックスのものです。
前後の歯と形態バランスを合わせるために、処置する歯以外も露出させています。
銀歯を外したところです。
銀歯の削りカスやお水はラバーダムに保護され、お口の中や喉の方には入りません。
銀歯の下から虫歯が出てきたので、さらに虫歯除去を行います。
やわらかい虫歯のみを、特殊な器具を使用して除去しました。
残っている変色部分は虫歯ではないので、ダイレクトボンディングで色味を隠して保存します。
こうして見ると、ラバーダムのおかげで対象の歯のみが見えるので、Drとしても治療に集中することができますね。
拡大鏡やマイクロスコープを用いてダイレクトボンディングを行い、ラバーダムを外します。
ラバーダムのおかげで、精密にダイレクトボンディングができました。
患者さんも水におぼれることなく、ただ寝ているだけで処置が完了します。
治療前後の比較です。
境目が開き始めていた銀歯を除去し、精密にダイレクトボンディングでやり替えることができました。
ダイレクトボンディングと歯の境目が拡大してもあまりわかりません。
処置時間75分、治療費用27,500円(税込)でした。
過去のブログと比較して、ラバーダムを設置するために治療時間が少しだけ長くなりました。
代わりに質は大きく向上したと思います。
このほかにも使う道具やテクニックをアップデートしているのですが、長くなるのでまたいつかご報告します。
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ダイレクトボンディングは集中力がとても必要なので、1日1症例のみとしています。
ご希望の方はご予約の際に「ダイレクトボンディングを相談したい」とお伝えください。
がんばります!
にじの森歯科クリニック 096−339−8118