歯の穿孔をどう塞ぐか…

以前にも書いた症例です。

右上の銀歯がグラグラするということで来院されました。

銀歯と金属の土台を除去してマイクロスコープで確認すると、歯の内部にばっちり穴があけられていました。

超音波器具や消毒で感染物質を除去し、傷口を回復させました。

ぐちゃぐちゃだった傷（穿孔）がきれいに治っていますが、いかにしてここを封鎖するかが問題です。

現在最も成績がよいとされるMTAセメントで封鎖しました。

泥みたいな材料（セメント）で埋めてありますね。

冗談みたいな材料代がかかるセメントですが、これが効くんですね〜。

ちなみに、保険治療では使用適応外で、保険治療で使ってしまうと違法行為になってしまいます。

医療用薬剤として厚生労働省に認可されているので、自費診療で使用する場合に限りOKです。

じゃあ、保険適応の材料で埋められないかと思われるかもしれません。

あるにはあるのですが、データ上では成績が明らかに落ちること、生体とのなじみがMTAセメントに敵わないこと、ほとんどの歯科医院に常備されていないようななじみのないマイナーな材料なことから、当院では使用しないことにしました。

本気で治したい、歯を残したいと思うなら、その可能性が最も高くなる方法を選択したいからです。

患者さんは、現在は被せものの型採りをして作成中ですが、痛みもなく、グラグラの動揺もなくなりました。