子どもの前歯の破折

患者さんからのご紹介で来院されました。

小学生で、学校で友達とぶつかって前歯が折れてしまったのですが、すぐには気づかずに約6時間後に来院。

歯が折れてから時間が経つほど、お口の中の細菌が割れ面の微小構造から歯にしみ込んでいき、神経を感染させる可能性が高くなっていきます。

感染が強い場合、後日歯が強くしみるようになったり、神経が死んで痛みが出たりすることがあります。

今回は約6時間経過とのことで少し不安はありますが、
生えたばかりの大人の前歯なので極力神経を残す方針で治療をしました。

破折

即日で歯の形態も回復させます。

これもダイレクトボンディングのテクニックです(色3色程度使用)

所要時間30分程度だったかな?

現在経過観察中ですが、直後からまったく痛みは出ていないようで、変色等の神経の異常所見もありません。

引き続き見守っていきたいと思います。

患者さんが若年者であるほど、一つの治療が将来に大きく影響していきます。

よく親御さんに説明しますが、

「子どもの歯、特に永久歯は必要がなければ極力削らないことが大切です!」

歯は削ったら元には戻りません。

ちょっと歯の溝が黒くなっているからって、着色程度で削っちゃだめです。。。

ダイレクトボンディングやセラミックでいくらきれいに修復しても、元の天然歯よりも状況は劣化しています。

だからこそ、必要最小限の削除(ミニマルインターベンション)と予防歯科が大切です。

治療の必要を作らず、予防を徹底するのが一番ですよ。